ニトリル手袋の争奪戦~品薄や価格高騰はいつ解消される?

○ニトリル手袋の争奪戦!注文が殺到する背景

ニトリル手袋は2020年から品薄状態が続いており、現在においても十分供給できていない状況にあります。

新型コロナウイルス感染症が世界で下げ止まりを見せている中で、医療機関をはじめ、あらゆるシーンでニトリル手袋が活用されていることが原因であると考えられています。

この世界レベルでの争奪戦は、今度解消されるときは来るのでしょうか。

ニトリル手袋の生産においてもっともシェアの大きい、東南アジア諸国での状況をお伝えしていきましょう。

・東南アジア諸国にニトリル手袋の注文が殺到する背景

東南アジア諸国に対してニトリル手袋の注文が殺到するのはいくつかの理由があります。

まず、ニトリル手袋の生産において、もっとも世界シェアの高いのが東南アジア諸国です。

マレーシアをはじめとして、ベトナムやタイ、インドネシアなどでさかんに生産されていることが知られており、世界シェアの多くの割合を占めています。

東南アジア諸国では、もともと天然ゴムを原料にした使い捨て手袋の生産がさかんでしたが、近年ではより品質の高い合成ゴムであるニトリル手袋の生産が行われるようになったのです。

特にマレーシアは世界シェアの3/5を獲得しており、世界195か国に輸出していることも知られている世界有数のニトリル手袋の産地です。

「トップグローブ」「コッサン」「ハルタレガ」「スーパーマックス」といったマレーシアのゴム手袋製造企業はニトリル手袋の供給で発展したと言っても過言ではないでしょう。

特に現在は2020年から蔓延しているコロナ禍にあって、世界中の医療機関や関係機関から品質の良いニトリル手袋が求められています。

そのため、東南アジア諸国に注文が殺到しているような状況になっているのです。

・発注から納品まで1年以上?

現在、マレーシアのニトリル手袋の供給については、発注から納品までに1年以上が必要であると伝えられています。

品薄の状態が理解できるとしても、さすがに1年以上も商品を待つことはできないように感じます。

このように供給が送れている理由に、世界的な蔓延をみせている新型コロナウイルス感染症の影響があります。

ご存じの通り、わが国以上に世界では新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、ワクチン接種が進む中でも感染の広がりを食い止めていると言えない状況が続いています。

そのため、医療機関は切迫している状況で、どの国においても医療体制が追いつかない状況が報道されています。

ニトリル手袋は薄く密着性が高く耐久性も高いので、世界のどの医療機関においても採用されています。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響は、ニトリル手袋の生産国である東南アジア諸国においても見られています。

マレーシアの大手企業においては、2020年に2度のクラスターが発生し、工場での操業を停止せざるを得ない状況となりました。

2021年3月現在においては、都市のロックダウンは解除されているものの、行動に制限がされるなどの措置が続いており、生産工場にも影響は続いています。

・品薄と価格高騰が発生する理由

新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、現在では少しずつ生産が再開されていることが伝えられています。

ただ、ニトリル手袋の生産ラインにおいても、以前のように生産できていない状況のようです。

そのため、需要の多いサイズや種類に限定して生産し、生産ラインも24時間フル稼働にするなどの対策に努めています。

しかし、影響は何もニトリル手袋の工場だけではなく、関係機関においてもみられています。

例えば、ニトリル手袋を箱に梱包するための工場が閉鎖している状況が伝えられるなど、供給体制が整っていないことが分かっています。

このように状況をみていると、新型コロナウイルス感染症がおさまらないことには、なかなか供給も元に戻ることは難しいように考えます。

○品薄や価格高騰はいつ解消される?

世界中で争奪戦が起きているニトリル手袋。

品薄状態や価格の高騰はいつ解消されるのでしょうか。

東南アジア諸国の状況とわが国の動きについて見ていきたいと思います。

・東南アジア諸国の供給体制

ニトリル手袋の生産国であるマレーシアでは、新型コロナウイルス感染症の感染者数は少しずつ減っており、2021年3月現在において1日1000人を切る日も出てきています。

ロックダウンが出される前では、1日4000人を超える日もあったということですから、少しずつおさまりが見えてきたと言えます。

ただ、わが国の状況を見てもお分かりの通り、下げ止まりの感が否めません。

また変異型と呼ばれるウイルスの広がりも見せていることから、今また本格的に工場での生産を再開させたとしても、またクラスターを発生させてしまうかもしれません。

そのようなことから、マレーシア政府においても一部地域で移動制限をしているなどの措置を行っています。

ワクチン接種は世界中で行われるようになりましたので、すべて行き届くようになれば、うまくウイルスを封じ込めるようになるかもしれません。

しかし、わが国においても、私たちのような一般人に接種がはじまるのはまだまだ先の話になることが考えられますので、マレーシアにおいても早期に対応できるとは言えないでしょう。

冒頭からもお伝えしている通り、新型コロナウイルス感染症の状況によって今後のニトリル手袋の供給体制にも影響を与えます。

そう考えると、東南アジア諸国においては、まだまだ供給が難しいようにも感じます。

・国内メーカーや政府の動きは

世界的なニトリル手袋の品薄状態を受けて、政府も懸念を示しており、国内企業でも国内生産を始める準備に入っています。

国内の手袋メーカーのトップ企業であるショーワグローブでは、香川県にニトリル手袋の生産工場の建設を計画しており、2023年より稼働させる方向です。

また、住友ゴム工業は、1億5000万円を出資し、マレーシアの工場に生産ラインを増やし、一日に200万双のニトリル手袋の生産ができるように計画しています。

ただ、これらの動きもすぐに対応されないような状況であることが理解できるのではないでしょうか。

そもそも、政府が懸念しているのは、国内の医療機関に対する供給であって、一般に流通させる目的のものではありません。

仮に、生産ラインが増え供給量が増えたとしても、すべて医療用として活用されることになりますので、一般の作業などへの供給は先延ばしになりそうです。

・生産ラインを増やせないこれだけの理由

  • コスト面で折り合わない
  • 多量の水の供給と広い場所が必要
  • 生産には高いスキルが必要になる

「生産ラインを増やせば供給量を増やせる」と安易に考えてしまいがちですが、それほど単純なものではありません。

上記でもお伝えしている通り、住友ゴム工業は生産ラインを1つ増やすだけで1億5000万円もの資金を投入することを発表しています。

これはマレーシアでの話になりますので、国内に工場を建設するのであれば、さらに資金が必要となるでしょう。

そう考えると、コスト面で折り合わないことが容易に推測できます。

特に現在のマレーシアでは、新型コロナウイルス感染症の状況もありますので、生産ラインで働く人材を集めることも難しいように感じます。

今までもマレーシアの現地人だけではなく、周辺諸国からも出稼ぎなどが多いことが知られています。

また、将来的に供給量が増えたときに、安易に生産ラインを減らすことはできませんから、やはりコストパフォーマンスが良くないと言わざるを得ないのです。

国内に工場を建設するにしても、多量の水と広大な土地を確保しなければなりません。

ニトリル手袋の製造は、製造過程において多量の水を必要としています。

そのためそれらが供給できるような土地、しかも1ラインで100mを超えるような広い土地が必要となるのです。

ニトリル手袋はコンベアに型枠が固定されており、その型枠にニトリルゴムを塗布することによって生産していきます。

それらは手作業で行われており、その加減によって手袋が薄くなったり厚くなったりしますので、品質を保つには高いスキルが必要になるとも考えられています。

そのようなことを考えると、どうしても生産ラインを増やすことができないのです。

○中国製ニトリル手袋が品薄の救世主?

ニトリル手袋は世界的な争奪戦になっている状況ではありますが、ここにきて中国製のニトリル手袋の供給が増えています。

これはジュノー合同会社が販売するもので、現在、コロナウイルス感染症対策の製品を軸にして自社ブランド製品の供給量を増やしています。

もともと中国製のニトリル手袋の供給は世界シェアでも第3位となっており、しっかりした生産ラインを持っていました。

新型コロナウイルス感染症においても国をあげたロックダウンによって封じ込めに成功しているために、いち早くニトリル手袋の供給ができるようになったのです。

品質の高さがウリとなっています。

まず一般財団法人 食品環境検査協会の試験成績証明書を取得しており、食品衛生基準に適合しています。

引き裂きや突き刺し、摩耗などへの強度についても、高い品質を維持できていることが知られています。

すでに世界中に数千万枚程度の供給を実現しており、価格も安定し、供給も問題なくできていることから、今世界中で取引が増えているのです。

○まとめ

ニトリル手袋の世界での争奪戦の様子をお伝えしてきました。

2021年3月の時点においても、東南アジア諸国での供給量は少なく、注文から納品まで1年以上が必要になると考えられています。

そのような状況は、新型コロナウイルス感染症のおさまりが見えないことには、なかなか改善することがないようにも感じます。

そのため、現時点では安定した価格で供給できている、ジュノー合同会社が販売する中国製ニトリル手袋に注目してみることをおすすめします。

高品質となっていますので、安心してお使いいただくことが可能です。

新型コロナウイルス感染症の状況においても、国をあげた取り組みによって、今後以前のような感染拡大が起きるようなことは考えにくいでしょう。

そのため、今後も安定した供給ができるのではないかと考えられます。

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ニトリル手袋研究所

ジュノー合同会社は、自社ブランド製品を持つ総合衛生メーカーです。
厚生労働省登録検査機関 一般社団法人日本食品検査 輸入食品等試験成績証明書取得