○ニトリル手袋の供給体制の今
2020年から品薄になっているニトリル手袋。
2021年になった現在においても、なかなか思うように手に入らないのが現状ではないでしょうか。
ニトリル手袋の製造は東南アジアに集中しており、コロナ禍にあってなかなか思うように以前のような生産を取り戻すことができない状態です。
しかし、そのような中でも中国製の高品質なニトリル手袋が安定して供給されており、すでに多くの納品実績を有しています。
ここでは、ニトリル手袋の供給体制がどうなっているのか、詳しくお伝えしていきましょう。
・東南アジアに集中している
使い捨てのニトリル手袋はマレーシア製がもっともシェアを有していて、そのほかにもタイやベトナム、インドネシアで作られています。
東南アジアはもともと使い捨て手袋の原料になる、天然ゴム、合成ゴム、ビニールなどの製造が盛んであり、需要が拡大する中で生産体制を拡大していったのです。
東南アジア諸国の中でももっとも盛んな国はマレーシアであり、世界シェアの約3/5を占めています。
マレーシアに存在するゴム手袋製造企業として知られている、「トップグローブ」「コッサン」「ハルタレガ」「スーパーマックス」の4社は、すでに世界195か国に輸出しているトップ企業です。
もともとマレーシアは天然ゴムの手袋の製造に力を入れていましたが、天然ゴムの原材料の確保が難しくなってきたことに伴って、合成ゴムであるニトリル手袋の増産に力を入れるようになったのです。
天然ゴムの手袋であるラテックス手袋の製造ラインをそのままニトリル手袋の製造に転用したために、マレーシアは一団産地として知られるようになったのです。
・マレーシアでの供給体制の現状
わが国において新型コロナウイルス感染症の蔓延は、なかなか勢いが止まらない状況ではありますが、この状況ではマレーシアにおいても同様のことが言えます。
2020年10月と12月の2度にわたって、大手工場において従業員間での大規模クラスターが発生し、操業停止を余儀なくされました、
コロナ禍において以前のように製造することができない状況に加えて、このクラスターの発生で世界的な品薄状態を作ってしまったのです。
2021年3月時点のマレーシアの状況においては、スランゴール州、ジョホール州、ペナン州、クアラルンプールなどにおいて州や地区間の移動は禁止されています。
最近まで半径10キロメートル圏内において移動制限が出されていましたが、こちらについては一部緩和が見られているようです。
2021年2月においては感染者数が一日に4000人を超える日もありましたが、3月現在においては一日1000人台となるなど、少し抑えられるようになってきました。
このような状況から、まだまだマレーシアの供給体制は以前のように元に戻るには時間が必要であるように感じています。
・世界レベルで争奪戦に発展
ニトリル手袋は、ほかの手袋よりも品質が良いために、世界中でも注目されるようになりました。
特に、世界的なコロナの拡大によって、医療施設や衛生的な作業を要する現場において、ニトリル手袋が求められるようになったのです。
しかしこのような状況の中で、冒頭からお伝えしている東南アジア諸国での供給体制の低下も加わり、ニトリル手袋が世界中で争奪戦となってしまったのです。
特にマレーシアの大手ニトリル手袋製造工場においては、それまでにも195か国に対して輸出をしていましたので、かなり多くの国々からニトリル手袋を求められています。
できる限り供給量を増やすことができるように、手袋の種類を少なくし、流通量の多い種類を優先的に製造するようにするなどの対策に乗り出しています。
また製造ラインを24時間体制にするようなことも始まっています。
ただ、そのような状況においても、まだ供給量はそれほど増えていないのが現状であり、注文してから半年が経過しても納品されないといった状況が続いているのです。
・中国製ニトリル手袋が救世主に
そのような状況の中で、中国製ニトリル手袋については、安定した供給量を保ち続けており、世界的なコロナ禍において救世主であると言われています。
この中国製ニトリル手袋は、ジュノー合同会社が販売している製品です。
すでに世界各国に数千万枚程度の供給実績を持っており、安定して納品されていることが知られています。
価格が安定しているために、安心して購入することができ、また品質もたいへん高品質であることから、東南アジア製から転換している企業も多くなりました。
そもそも中国のゴム手袋の生産の能力については、世界シェア3位であることが知られています。
マレーシアのシェアは約65%、タイの約18%と東南アジア諸国だけで8割を超えるシェアを持っているのですが、中国は約9%で世界シェアの約1割を握っている状態です。
中国でもコロナは急拡大しましたが、都市のロックダウンによってうまく封じ込めることに成功しましたので、ニトリル手袋の増産が可能になっているのです。
また、ニトリル手袋は医療用としても活用されることが多く、医療基準は各国とても厳しくなっていますが、中国製はこの品質基準を満たすものであることが知られています。
○ニトリル手袋の品薄状態は改善されるの?
東南アジア諸国での生産の状況は、現状において元の状態に戻っていない様子が分かります。
品薄状態が改善されるには、まだまだ期間が必要になるのでしょうか。
また現在、安定して供給できている中国製のニトリル手袋についても、詳しくお伝えしていきましょう。
・東南アジアでの生産工場の現状
ニトリル手袋の世界的な品薄状態を改善するためには、東南アジア諸国に存在する工場が、従来通りの製造ができるようにならなければなりません。
しかし、おさまる気配のないコロナ禍にあって、元通りまで回復させることは難しい状況にあります。
というのも、ニトリル手袋の製造自体が進んでも、輸出をすることが難しい状況にあるからです。
実際、手袋を納入するために必要な梱包工場も、ストップしている状況であると言われています。
つまり、ニトリル手袋を一定数、箱に詰めて出荷するという工程についても、うまく稼働していないのです。
また、手袋の種類などを限定して製造を再開してはいるのですが、コロナ対策で必要となる医療やその関連業務のために優先的に出荷されている状況です。
このように考えてみると、コロナの影響が世界的におさまるまでは品薄状態が改善されることはなかなか難しいように考えられます。
・生産ラインを増やすことは難しい
「なぜもっと生産ラインを増やさないの?」と考える方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに生産ラインを増やせば、すぐに品薄状態を改善させることができるようになると考えることは当然でしょう。
しかし、ここでいくつかの問題があります。
- ニトリル手袋の生産ラインはとても大きいのでそれだけコストが必要となる
- コロナ禍にあって従業員をうまく確保することができない
- 手袋を梱包する下請け業者の作業が伴わない
特にこの中でも、コストの問題はとても大きいと考えられています。
ニトリル手袋の製造ラインは1つのラインでも手形が1万個以上も付いており、その長さも100mを超えるようなものもあるほどです。
これだけの製造ラインを作り、またそこで働く従業員を集めるとなると、なかなか大変なことが想像できるのではないでしょうか。
・国内での生産体制は
国内の手袋メーカーである「ショーワグローブ」は、香川県にニトリル手袋の製造ができる工場の建設を公表しています。
ただ、この工場が稼働するのは2023年の春頃からだと言われています。
もともと、わが国でなぜニトリル手袋の製造がなされていなかったのかというと、上記でもお伝えした通り、コストの問題があるからです。
大きな製造工場を構えなければならないために、どうしても国内では採算が取れないのです。
しかも、工場には大量の水を必要としているため、水を引き込んでも支障のない場所でなければなりません。
そのようなことを踏まえて検討すると、なかなか国内に拠点を構え、稼働させることは容易なことではないのです。
・コロナと品薄状態の関係はどこまで続く?中国製のものは?
冒頭からニトリル手袋の品薄状態についてお伝えしてきましたが、東南アジアの供給体制についてはコロナが落ち着かないことには、難しい問題であることは間違いありません。
そのため、いち早くロックダウンによってコロナを封じ込めることができた、中国製のニトリル手袋の供給が今後も増えてくるのではないかと考えられます。
安定した供給を見せているジュノー合同会社のニトリル手袋ですが、この企業はもともとコロナ対策の製品を軸にして、自社ブランドの製品を提供しています。
そのため、専門分野でのスキルに長けており、最良の品質を提供することができるのです。
実際、ニトリル手袋については、一般財団法人 食品環境検査協会の試験成績証明書を取得しており、食品衛生基準に適合しているものです。
引き裂きや突き刺し、摩耗などへの強度についても、高い品質を維持できています。
すでに数千万枚程度の納品実績もありますので、安心して購入することができるでしょう。
○まとめ
ニトリル手袋の供給体制について詳しくお伝えしてきました。
世界シェアで高い割合であるマレーシアの供給体制は、少しずつ改善されてきているようですが、この状態もコロナ禍でどのように変化するのか見通しは立っていません。
状況によっては、再度ロックダウンされるようなことになり、さらに品薄状態に拍車をかけてしまうことにもなるかもしれないのです。
そのような状況を踏まえて考えてみると、現在、安定して供給できているジュノー合同会社が提供する中国製ニトリル手袋は注目することができるのではないでしょうか。
品質にも問題なく、コロナの封じ込めにも成功していますので、これからも安定した供給が続けられるのではないかと考えられます。