大手工場でのクラスター発生が品薄の原因に!ニトリル手袋の供給は今後どうなる?

○大手工場でのクラスター発生が品薄の原因に!

世界中で品薄状態が続いているニトリル手袋。

その背景には、新型コロナウイルス感染症の蔓延がありますが、世界ではまだまだおさまりをみせていない状況です。

そのため、ニトリル手袋の品薄状態も継続するのではないかと懸念されています。

特に、ニトリル手袋の生産において多くのシェアを獲得している東南アジア諸国でも深刻な状況が続いており、なかなか供給体制が整うところまで至っていない現状があります。

ここでは、なぜ世界中の品薄状態を作ってしまったのかその原因について、また供給体制が今どのような状態になっているのかご紹介していきたいと思います。

・大手工場でのクラスター発生が品薄の原因に

ニトリル手袋の供給は東南アジア諸国において多くのシェアを獲得していますが、特にマレーシアは世界の2/3であると言われています。

そのマレーシアでは2020年の10月と12月に、大手工場2社において新型コロナウイルス感染症のクラスターを発生させてしまいました。

報道によりますと、大手のトップ・グローブ社だけでもクラスターによる感染者数は5,000人にも及ぶことが分かっています。

わが国でのクラスターというと数名から数十名程度の規模で報道されることが多いので、凄まじい規模でクラスターが発生したことが理解できるのではないでしょうか。

クラスターが発生した地域での同社の従業員数は約9,000人となっていますが、そのうちの58%にもおよぶ約5,000人が感染してしまったことになります。

大打撃を受けたクラスターであったことが分かります。

それまでも、高品質なニトリル手袋は世界中の医療機関で活用されてきましたので、供給がなかなか追いつかない状況ではありましたが、このクラスターによってさらに悪化させてしまう原因となったのです。

クラスターの発生によって、工場を一時的に、停止させてしまうことになったからです。

マレーシアの工場では、現地の人が働いていただけではなく、近隣諸国から出稼ぎに来た人が数多く工場で雇用されていました。

そのため、工場の稼働が再開したのちも、工場で働くスタッフが集められなくなってしまったことも、品薄状態を作ってしまった要因になっていると考えられています。

・納品までの日数が600日を超えている現状

世界的なニトリル手袋の品薄によって、納品が注文から一年以上にもなるといった噂が流れています。

しかし、現状ではさらにひどい状態が続いており、先ほどお伝えしたクラスターが発生する以前においても620日にも達しているといった報道がありました。

マレーシアのニトリル手袋製造大手のトップ・グローブ社は2020年8月期の決算において、売上高が51%増であったと発表しています。

これは、世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延の中で、医療用として活用する高品質のニトリル手袋の需要が拡大したものであると言われています。

トップ・グローブ社は、これからも引き続き需要は増えるために、設備投資を行い、供給能力を高めることを公表しました。

2020年9月の時点で生産能力は855億枚でしたが、2026年までに倍以上に増やす計画を持っていたのです。

しかし、その公表からすぐにクラスターの発生が明るみになり、さらに品薄状態を作ってしまうことになったのです。

そのため2021年8月の決算においては、見込みよりも数%の減益になると考えられています。

・大手企業が増収でも品薄が続いてしまう理由

上記でお伝えした通り、マレーシアのニトリル手袋工場の大手「トップ・グローブ」は2020年8月において増収を公表し、生産能力の倍増を計画しています。

しかし、そのような状況でも品薄状態が改善されずにいます。

なぜ供給できないのか、それにはさまざまな理由があります。

まず、新型コロナウイルス感染症の影響です。

東南アジア諸国においては、各国ごとに異なる部分はありますが、ロックダウン(都市閉鎖)が行われたり、外出の自粛などがみられる地域があったりし、営業停止を余儀なくされたと工場も数多くあります。

2021年に入ってワクチン接種は各国で始まっていますが、すべてに行き渡るまでには相当な時間が必要です。

また変異型と呼ばれるウイルスも登場していますので、今後さらに蔓延してしまう懸念もあるでしょう。

さらに、ニトリル手袋の工場だけではなく、関連する工場にも影響が及んでいます。

ニトリル手袋を梱包して出荷する工場がありますが、その工場が閉鎖になっているという情報もあります。

いずれにおいても、新型コロナウイルス感染症を抑え込まない限り、なかなか供給は難しいようにも感じます。

○品薄が解消されるのはいつ?ニトリル手袋の供給は今後どうなる?

納品が620日後といった衝撃的な品薄状態は、いつ解消されることになるのでしょうか。

マレーシアなどでの新型コロナウイルス感染症の現状、また世界のトップ企業であるトップ・グローブ社の動向などについてご紹介しましょう。

・マレーシアなどでの新型コロナウイルス感染症の状況は

ニトリル手袋の最大出荷国であるマレーシアにおいては、2021年1月末ごろに一日あたりの感染者数が5000人を超えています。

1月12日の時点で緊急事態宣言が出されており、現在では感染者数は少しずつ減少して、一日の感染者数は1500人程度となっています。

2021年3月現在においては、外国人のマレーシアへの入国は原則不可。

休業や設備の稼働制限などにおいては、カフェやナイトクラブなどにおいて見られており、ニトリル手袋工場においてはないようです。

ニトリル手袋の生産がさかんな国は、ほかにもベトナムやタイ、インドネシアなどがあります。

ベトナムは早期発見、早期隔離によって、早い段階でコロナを封じ込めたことで注目されています。

インドネシアでは2021年1月には一日の感染者数が1万人を超え、現在でも5,000人前後の感染者が確認されている状態です。

タイでは一日に80人前後の感染者が確認されています。

タイはニトリル手袋の生産においてはマレーシアに次ぐ世界第2位となっていますが、もともと天然ゴム手袋の生産に力を入れていたために、それほど多くの供給量を持っているわけではありません。

・ニトリル手袋の供給は今後どうなる?

2度にわたるクラスターによって、大きなダメージを受けたマレーシアのニトリル手袋企業であるトップ・グローブ社ですが、2020年12月末には稼働再開しています。

世界の26%ものシェアを握っている企業ですから、今後の供給量が品薄解消に大きな影響を与えることは間違いのないことです。

トップ・グローブ社は現在、年間に生産できる能力は約800億枚となっていますが、2023年末には40%増の1290億枚にまで引き上げる計画を持っています。

新型コロナウイルス感染症の影響が続くことによって、医療用のニーズが引き続き拡大することをにらんでのものですが、厳しい現状がある様子も伝わってきています。

・ニトリル手袋の生産能力の拡充は

トップ・グローブ社は、労働者の住環境問題が解消されていないことが報じられました。

冒頭からもお伝えしている通り、トップ・グローブ社の従業員は現地人だけではなく、外国人労働者を数多く雇用しています。

周辺のネパールなどの人たちが寮に住み込んで働いているのですが、クラスターが発生した状況を鑑みると、劣悪な居住環境であったことが否めません。

5,000人を超すクラスターを発生させたということでも、それは容易に想像できるかと考えます。

そのため、従業員の健康と安全を第一に取り組むと宣言し、現在、新しい宿舎の借り上げを進めており、また感染防止基準を満たした寮の建設計画も打ち出しています。

ただし、新しい宿舎を用意するだけでも1年以上が必要であると言われており、建設となるとさらに遅くなってしまうことが懸念されます。

さらに、アメリカから従業員に対する処遇改善を迫られてきました。

アメリカの税関・国境取締局(CBP)は2020年7月に輸入差し止めとしていますが、これは従業員への不当な処遇が理由だったとみられています。

今後、処遇改善の交渉が決着することが重要ですが、外国人労働者に依存している体制を脱却させることが急務であると言われています。

さらに、中国企業などによる猛追もあることから、トップ・グローブ社の今後の動向が注目されています。

○中国製ニトリル手袋の猛追がはじまる

ニトリル手袋の世界的な品薄状態の中で、中国製のニトリル手袋の供給量が増えています。

新型コロナウイルス感染症対策の商品を軸にして展開しているジュノー合同会社が販売しているニトリル手袋が注目されています。

注目されているポイントはいくつかあります。

  • 安定した供給量
  • 高い品質
  • 安定した価格

まず供給量については、世界的な品薄状態が始まってからすでに数千万枚が供給されている実績を持っています。

もともと中国ではニトリル手袋の製造が盛んに行われており、マレーシアには水をあけられているものの世界第3位の供給量であることが知られています。

さらに新型コロナウイルス感染症においてはいち早く封じ込めることに成功し、品薄状態になっているニトリル手袋の増産に取り掛かってきたのです。

品質についても引き裂きや突き刺し、摩耗などへの強度は高く、一般財団法人 食品環境検査協会の試験成績証明書を取得、食品衛生基準にも適合しています。

価格も高騰せずに安定しているために、世界での供給量が増えているのです。

○まとめ

ニトリル手袋の世界的な品薄状態の現状を冒頭からお伝えしてきました。

東南アジア諸国、特にマレーシアのニトリル手袋企業については、増産体制が計画されているものの、現状では足踏み状態が続いていると言えます。

製造ラインを増やす計画もありますが、雇用問題や従業員の住環境問題、処遇改善など、さまざまな問題を解決させる必要があります。

そのため、すぐに供給量が元通りになることは、大変難しい状況にあると言えるでしょう。

その中で台頭してきたジュノー合同会社が販売する中国製ニトリル手袋は注目することができます。

供給量・品質・価格ともに安定していますので、世界中で取引が増えているのです。

>ニトリル手袋研究所

ニトリル手袋研究所

ジュノー合同会社は、自社ブランド製品を持つ総合衛生メーカーです。
厚生労働省登録検査機関 一般社団法人日本食品検査 輸入食品等試験成績証明書取得