○「使い捨てゴム手袋が足りない!」医療や介護現場で続くニトリル手袋不足について
新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、医療や介護現場において使い捨てゴム手袋や使い捨てマスクなどの需要が増えました。
これは何もわが国に限ったことではなく、世界中において同じことが言えます。
おさまりが見られない新型コロナウイルス感染症によって、使い捨てゴム手袋、特に品質の良いニトリル手袋が品薄状態になってしまいました。
現在でも続く、わが国のニトリル手袋の品薄状態についてお伝えしていきたいと思います。
・医療や介護現場の悲鳴が続く~ニトリル手袋の品薄の現状
わが国において新型コロナウイルス感染症の蔓延がみられだした2020年2月ごろ、使い捨てマスクや消毒用アルコールなどが品薄状態となったことは記憶に新しいと思います。
ドラッグストアやスーパーなどの店舗では、販売する棚に商品の使い捨て紙マスクを並べることができず、棚が空の状態になっていることがありました。
少しずつ店舗で購入できるようになってからも価格が安定せず、通常ならば数百円で購入できるような使い捨てマスクが、数倍の価格で販売されていました。
しかし、いまではどのドラッグストアやスーパーにおいても、手に入れることができるまで供給されるようになりました。
そのような中で、今もなお品薄状態が続いているのが「使い捨てゴム手袋」です。
ご存じの通り、わが国だけではなく世界中で医療現場は大混乱を起こしてしまい、今もなおひっ迫している状態が伝えられています。
新型コロナウイルス感染症は感染力が強いことが分かっており、飛沫感染によって拡がっていくことが確認されています。
そのため、医療従事者やほかの患者に感染させることがないように、完全防備で治療に当たっています。
完全防備を行うために必要な医療アイテムのひとつに「使い捨てゴム手袋」があります。
特にニトリル手袋は、薄いにもかかわらず耐久性などに優れているために、医療分野だけではなく、あらゆる業界において積極的に活用されています。
密着性が高いために、細かな作業を有する医療現場においても利便性が高いので、世界中で活用するシーンが増えているのです。
そのような状況から、世界中の医療機関で争奪戦となってしまい、品薄状態を引き起こしてしまうことになったのです。
・医療現場にしか供給されない状況が
上記でお伝えした通り、ニトリル手袋はとても品質の高い使い捨てゴム手袋ですので、医療用だけではなく、あらゆるジャンルにおいて活用されてきました。
しかし、世界中の医療体制がひっ迫している中で、ニトリル手袋は医療現場に対して優先的に供給されるようになりました。
後述しますが、ニトリル手袋はマレーシアで主に生産されてきましたが、現在十分に生産体制が整っているとはいえません。
それも、マレーシアで発生した新型コロナウイルス感染症の影響によるもので、世界の26%のシェアを誇っている企業「トップグローブ社」では2度にわたるクラスターを発生させてしまいました。
そのようなこともあり、ただでさえ需要が増えているような状況であるにもかかわらず、供給が伴っていない現状があるのです。
特に、生産されたニトリル手袋は、医療用として優先して供給されるようになっています。
そのため、その他の産業などにおいては、なかなか手に入れることができない状況となっています。
特に悲鳴を挙げているのが介護現場です。
介護現場においても、お年寄りなどに対する介護によって細かな作業が必要となるシーンが多いので、ニトリル手袋は重宝されています。
しかし現在では、メーカーに注文してもなかなか入荷しないような状況となっています。
しかも価格が高騰してしまい、今までの価格の数倍でなければ購入することができない状況であり、日常的に必要になるものだけに経費負担も重くなっていることが分かります。
それでも、使い捨て手袋を切らすわけにはいかず、しぶしぶ高値の手袋を購入せざるを得ない状況となっています。
ただ、品薄状態はいつまで経っても改善されないために、介護現場によっては使い勝手が悪いビニール製使い捨て手袋に切り替えるなど、対策を講じている状態です。
・スーパーや食品メーカーなどは入手困難も
ニトリル手袋は医療用としてだけではなく、スーパーや食品メーカーなど、食品を扱う業務においても積極的に活用されています。
調理や盛り付けなど、細かな作業においても、フィット感の高いニトリル手袋の需要が高いのです。
もちろん、その他ジャンルの企業や個人でも幅広く活用されています。
個人においても利便性がとても高いので、家事や趣味などにおいて活用しているという方は多いですが、一般の販売店では購入することが難しくなっています。
○品質の悪いニトリル手袋が医療機関や介護施設に!!
先日、アメリカのバイデン大統領が、2021年4月中にアメリカ国民の9割に対してワクチン接種を行うといった発表がなされました。
これは、アメリカで拡大している新型コロナウイルス感染症の蔓延の状況を受けたものです。
恐らく今後、アメリカだけではなく。世界中でワクチン接種が加速することになるでしょう。
新型コロナウイルス感染症を封じ込めるために、ワクチン接種は重要なことであることは間違いありません。
しかし、このワクチン接種は「ニトリル手袋をさらに品薄状態にしてしまう」ということも意味していることが、冒頭からお伝えしている内容でも理解できるのではないでしょうか。
さて、そのような状況の中で、品質の悪い使い捨てゴム手袋が流通していることをご存じでしょうか。
使い捨てゴム手袋だけではありません。
医療機関や介護施設などに必要な感染防止用の防護具などが闇市場で売買されているというのです。
・ニトリル手袋の高騰、粗悪品の流通も!
わが国で新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めたときに、使い捨てマスクが一時的に品薄となり、ネット上において高値で販売されることが問題となりました。
スーパーやドラッグストアなどでは購入することができず、1箱100枚入りのものが1万円程度で販売されることも珍しい状況ではありませんでした。
このような状況が社会問題になったことも、記憶に新しいのではないでしょうか。
このような品薄状態となり、高いニーズがある状況では、どうしても同じことが繰り返されてしまいます。
現在、ニトリル手袋が闇市場で販売されていることが指摘されています。
価格が高騰しているだけではなく、品質においても薄汚い倉庫にしまわれているような粗悪品が出回っていることもあるようです。
ワクチン接種がどんどん進行している中で、粗悪なニトリル手袋の流通には注意しておく必要があります。
・医療機関や介護施設ではもう待てない状況が
ニトリル手袋の世界シェア一位を獲得しているマレーシアの大手企業「トップグローブ社」では、昨年2度のクラスターを発生させてしまい品薄状態を拡大させてしまいました。
現在においても納品に600日程度が必要だという報道もなされていることから、すぐに供給が期待できない状況であることは間違いありません。
政府が新型コロナウイルス感染症の受け入れ先としている医療機関などにおいては、ニトリル手袋の供給は優先されるのかもしれませんが、一般のクリニックや介護施設などではそのような恩恵を受けることはできません。
しかし、医療体制がひっ迫している状況で、確実にニトリル手袋が必要になりますから、世界中で争奪戦になることは避けられない状況なのです。
アメリカの医療機関に対するアンケート調査では、ワクチン接種作業に使い捨てゴム手袋などが不足している状況について多くの回答に「不安」としています。
ただ、そのような状況でも、すぐに生産ラインを増やすようなことができないために、完全に供給が戻るまでには今しばらく時間が必要な様子なのです。
○中国製ニトリル手袋が安定した供給を
そのような状況の中で、中国のニトリル手袋製造企業においても増産を発表しており、現在安定した供給を見せていることが注目されています。
報道などを見てもお分かりの通り、中国では新型コロナウイルス感染症を完全に封じ込めることに成功し、独自に開発したワクチン接種も進んでいます。
安定した社会状況の中でニトリル手袋の生産が可能であり、シェアトップであるマレーシアなどがもたつく中で、シェア拡大に取り組んでいるのです。
中国のニトリル手袋生産能力は現在、世界シェアで第3位を獲得しています。
トップのマレーシアとは大きな差が生じていますが、マレーシア企業に遅れがみられる中で安定した供給、安定した価格、安定した納期で対応できています。
ジュノー合同会社が販売する中国製ニトリル手袋については、高品質であることも注目される理由となっています。
ジュノー合同会社から公表されている品質については、以下の通りとなっています。
老化前強度:14Mpa
老化前伸び率:平均460%
老化後強度:13Mpa
老化後伸び率:平均410%
もともとニトリル手袋は高品質で注目されていますが、上記の通り、引き裂きや突き刺し、摩耗などへの強度がとても高いことが分かります。
また、厚生労働省で登録されている検査機関である「一般社団法人日本食品検査」での検査も問題なく、輸入食品等試験成績証明書も取得済みとなっています。
すでに数千万枚の供給実績を持っており、これからも需要は高まるのではないかと考えられます。
○まとめ
世界で品薄状態が報じられているニトリル手袋ですが、世界的なコロナ禍において、これからも医療従事者への供給が主に行われることになる流れになっています。
そのため、介護現場をはじめ、一般企業や個人のもとへは、なかなかすぐに届かない状況がこれからも続くのではないかと考えられます。
生産シェアでトップ企業であるマレーシアの「トップグローブ社」では、増強体制を公表していますが、さまざまな問題によって難航している様子も伝えられています。
現在、新型コロナウイルス感染症の蔓延を食い止めている中国において、中国国内企業による増産体制が進んでいくのではないかと考えられます。
現時点においても安定した価格で供給できている、ジュノー合同会社が販売する中国製ニトリル手袋はますます注目度が高まることでしょう。